虹レになった話

 

 かれこれやったチュウニズムで虹レになったので、虹レになった時のベスト枠とかを書きたいと思います。少しでもレート上げの足しになればと思います。技術面は虹レになりたてなので、プラレ、金レの方にも伝わりやすいかなと思います。逆に虹レも極まった方は、こういう時代もあったなと温かい目で見守ってあげてください。

 

また、気分に任せて書いたので、言葉遣いが全然統一されてないです。

 

1. 13

レベル13SSSを取っていたのは虹レ到達の時点で9曲でした(AMAZON時点)。SSS乗せた順に紹介したいと思います。

 

BOKUTO(13.0)

14.6台でSSSに乗せた曲。個人的難所は3ヶ所でした。

まず、1番と2番の間奏。(6369小節)イントロとほぼ同じですが、下手に手を動かすと抜けるので、手を気持ち大きめに開いて振り上げていない方が抜けないようにしました。

次は2番すぐの混フレ。(7178小節)右手はガチ押し、左手は親指で58レーン下側を押さえて、残りの指で14レーンと58レーンにまたがるように4分間隔で叩き続ければ、全て抜けません。プラレ時代なので混フレは処理を簡単にしました。

最後はラスサビの、「臨兵闘者皆陣烈在前お仕置きアイテム」のところ。(107110小節)左手のスライドが抜けやすく、続く8分間隔タップの小粒も抜けやすいので大きめに手を開きます。スライドは右に行きすぎて左が外れることが多かったです。その後の拘束処理は4分間隔なので巻き込み回避で早アタを避けて通りました。

13.0の中では単純なのでSSSは出しやすいかと思います。手袋ないとイントロのフリックとかもしんどいかも。

 

② 拝啓ドッペルゲンガー(13.1)

14.7台後半に鳥乗せた曲。昇格勢ではあるが、譜面が見えれば簡単かと思われます。

イントロのホールドは、くっついているタップも含め押しっぱなしにする意識で抜けませんでした。その後の同じようなリズムも同様です。

6974小節の、2個目のスライドの後ろにある階段でattackが出やすかったのでそこを意識しました。

見えれば素直な譜面で、あまり粘着せずに済んだので楽しかったです。鳥乗せたときは、最後の黄色の前でスコアが1006k台で、鳥乗ることを願ったのはいい思い出です。

 

DataErr0r(13.0)

14.8で鳥乗せた曲。

6小節の2連打が交互じゃないので、そこだけ覚えればイントロは問題ない。

Aメロや6263小節、7879小節はリズム難なだけなので曲の通りに押せば問題ない。この頃から普通に指押しをしていたので6465小節は決してこすりませんでした。片手振り上げた時にちゃんと指で押せばSSSは遠くない1曲と思います。

 

頓珍漢の宴(13.0)

DataErr0rと同じ日に鳥に乗せた曲。個人差譜面というか癖という方が正しいかもしれない譜面。許容数が少ない割に指押しを要求される回数が多い気がする。フルコンしてから鳥までにだいぶ時間がかかりました。あと、8386小節が左手こすりなのが嫌だったので、自分はミラーをかけて鳥に乗せた。

Aメロは指押しと同時押しのリズムを意識しました。自分は左手の階段が走りすぎるので、気持ちゆっくり目に押してAJで通過しました。

サビはスライドの始点のみ意識すれば良い(8分間隔で叩き続けるだけ)。

「(一触即発)前後不覚無間地獄後」のスライドの前の階段(47小節)が個人的鬼門でした。この配置は後にもたくさん出てくるのでattackを出さないように練習しました。

逆に指押しができれば、7981小節のフリックをきちんと取れれば問題なく行けると思いました。

スピードを上げてattackを減らしたので、試してみると良いかもしれません。

 

Oshama Scramble! (Cranky Remix)(13.0)

14.8前半で鳥に乗せた。簡単だが許容は少ない譜面。といいつつ、13に頻出する動きや全押し的要素が要求されるため、精度がないと厳しいかもしれない。自分もそのせいで鳥5つ目になりました。

Aメロはよくある手の動きですが、20小節みたいなののリズムに注意するといいと思います。あと案外横に振られるのでタップの真ん中を狙い続けました。

41小節の小粒階段とスライドがコンボ切れるポイントで、最難所でした。タップスライドに意識を向けて最後まで取るといいと思います。

その後は僕は完全分業です。普通に抜けません。

個人的に5051小節の左手が弱かったので、フリックのタイミングを意識しました。

78小節からの黄色小粒5つは両手を意識しました。85小節はトリルになり始めを意識してれば抜けないと思います。

あとはウィニングラン

譜面で見ると難しくはないけど、やってみるとスコアが出ない曲の一つだと思います。リズム感と丁寧さが大事になる曲だと思います。これもフルコンから鳥は時間かかりました。

 

覚醒楽奏メタフィクション(13.3)

稼ぎ筆頭と言われている曲。14.9で鳥に乗せた曲。押しにくい配置もなく許容が多いので、速さに慣れれば.3の定数も感じないかも。逆に速いから適当に押してると抜けるポイントが多いかもしれないです。

僕は最初の2小節までに必ず1アタか1ミスを吐く癖がついてしまいましたが、それ以外はところどころattackを出すだけで鳥コンしました。

12小節のくらいは指押し出来ると他の曲(神威赤やClimax赤など)にも対応できると思います。

この曲は16分がどこかを意識してれば、比較的減ると思います。例えばAメロやサビです。特にサビのスライド前は、歌詞は「おーんがーくをー」ですが、「おーん」にタップ3つ分の音が含まれてるので注意が必要でした。タップ音を大きくすると分かるかもしれないです。

60616869小節も指押し。

休憩したらほぼ繰り返しなので問題ないです。強いて言えば最後のスライド階段を忘れなければ大丈夫かと思われます。

鳥寸を多く踏んでいましたが、最後はリズムを覚えて何とかしました。

 

Life(13.2)

14.9前半で鳥乗せた曲。クセがこれまた強く、脳トレ感が強いです。途中の混フレ、指押しは何故か1アタくらいで通過できました。逆に脳トレのところは手を迂闊に変えないで、ホールドに最初に親指を置いて、残りの指でタップとホールドを完全に処理しました。手が交差するのも無視です。これで全てのところAJ通過したので是非。

あまり難所という難所は無いと思いますが、許容の少なさとクセで.2という感じです。この曲は34回目に鳥乗せたので、プラレにはオススメかもしれません。

 

JIGOKU STATION CENTRAL GATE(13.3)

サビとAメロは簡単な混フレで構成されていて素直で押しやすい譜面。14.93あたりで鳥に乗せた曲。クセはあまり無く、許容も極端に少ないわけでは無いが、逆に一度抜けると許容寸前まで持っていかれる配置もある気がします。

1016小節は特徴的なリズムなので早アタを出さない意識をしました。

個人的に最強は33小節でした。振り下ろしエアーと全押しを抜けないように手を目一杯広げるといいと思います。

あとは休憩でサビ。6668小節は、僕は見た目通りに押しますが、エアーを左手に固定する人もいるらしいです。

あとはattackを出さなければオッケー。サビの後半で抜ける時は、大抵フリックかフリック横の黄タップが取れていなかったので、そこに注意すればいいかもしれません。

他の.3に比べて局所難、リズム難というわけでもないので、早めに倒せるといいと思います。

 

ナイト・オブ・ナイツ(Cranky Remix)(13.2→AMAZON PLUS13.1)

全体的に.2弱めという雰囲気。リズムが取りにくいかもしれないです。

1015小節は、この後頻出するリズムとは違うので注意しました。

個人的には58小節からのスライド前の小粒が苦手で、attackを量産しました。鳥乗せた時もここで3つくらいattackが出たと思います。

最後の難所は97小節で、ここのフリックが通れば鳥という時が何度もありました。左手を確実に端から端までこする意識をしました。

.2には害虫やサドマミと言った稼ぎがあり、それに比べると地力を要求される気はしますが、しっかりとノーツの切れ目を見て真ん中を確実に押せば、巻き込まない上取りこぼさないので、認識に慣れるといいかもしれません。

 

2.単曲レート15.0以上

ベスト枠15.0以上で、鳥に乗ってはいない曲を紹介したいと思います。

 

The wheel to the right(13.4)

単曲レート15.35を記録した曲。全押し譜面と言われるが、個人的にはリズムを保てないのと巻き込みやすいのとで、素直にガチ押しした方が安定する曲。

片手ホールド片手エアーにタップが混ざった、いわゆるインド人地帯が苦手でしたが、ホールドが2本の時は、タップとエアーを完全に同じ手のみで処理することで、上手くハマった時にこの点数が出ました。

研究され尽くしている譜面なので、色々な運指を試すといいかもしれません。

黄タップのスライドは手をめいっぱい広げてゴシゴシこすります。

この曲をベストに入れてあると、連奏してレートを盛れるのでいいかもしれません。虹レの時はこれがベスト枠最上位でした。

 

CITRUS MONSTER(13.7)

単曲レート15.28。全体的に見た目に忙しいが、リズム、配置ともに初見で対応できないことはなく、一発でSS+に乗りました。特に書けることもないけど、多分AMAZON PLUS.6落ちする。しなかったけど。

 

Philosopher(13.5)

単曲レート15.1412アタでフルコンボした曲。BPMが早いので、譜面の見た目よりは押しにくいと思います。あと、許容が意外と少ない。特にアウトロは抜けやすいので手を広げました。なんとかフルコンして良かったです。

他の.5に比べると地力というより、BPMのために.5みたいな感じがします。早いのが得意という方は試してみては。

 

おまかせ!!トラブルメイ娘☆とれびちゃん(13.1)

単曲レート15.08と鳥寸を何度も踏んで未だに鳥に乗せられない曲。局所難などということはなく、見た目通りに押せば済む。attackmissが出るとしたら、2532小節の片手8分連打と、炎上配置とその前(8485122123小節)辺りかと思われます。僕は8小節みたいなタップでattackをよく出してます。

トレビはノーツ数も多く許容も余裕があるので13attackでも鳥寸でこのレートになるので、レート盛りにはいいかもしれないです。

 

インビシブル(13.2)

単曲レート15.07attackが異常に出やすい曲。ラスサビに発狂があると言われていますが、あそこは全然簡単で、他のところでいかにattack以下を減らすかが大事だと思います。これもPhilosopherと同じで、BPM的に.2という感じがします。

 

Kattobi KEIKYU Rider(13.8)

単曲レート15.06。体力譜面であり、変な技術を要求されるところはあるものの譜面が詰まっているのでmissは出にくい。線路地帯は、あえてベチャ押しではなく間を空けて線路をなぞる意識をしたら抜けませんでした。

この曲は混フレのところ、特に2回目(99104小節)がattackが出て難しいところだと思いますが、指押しをすれば何とかなるし最悪擦ればいいと思います。長いので体力切れが心配じゃなければSSは乗ると思います。

 

3.単曲レート14.7以上

15.0に乗った時の下限は14.7でしたので、その曲を紹介したいと思います。

 

立川浄穢捕物帳(13.0)

単曲レート14.95。個人的にはAメロが苦手でコンボ切れることが多かったです。後は、103104小節の所だけ親指がタップになるのに注意してれば基本大丈夫かと。イントロとアウトロは同じリズムの繰り返しなので、このリズムを体に刻むといいでしょう。あと、あんまり手を左右に振らない。

これも僕は鳥寸ですが、13.0の中では許容数、クセ共にエグくはない方だと思います。

 

分からない(13.2)

単曲レート14.9513.2の中では物量譜面で、SS+に乗せるのに苦労しました。たしか虹レ寸前にこの点数を出したと思います。

5253小節がattack無しで通ればサビまではAJで通ると思います。69小節は70小節との連結を意識して、気持ち多めに叩いとくと繋がりました。7376小節の片手フリックが苦手で、フリックの擦りを意識してもう片方のタップのリズムがズレることがあったので、タップメインに考えるといいかもしれません。

巻き込みなどは起こらないと思うので、指押しトリルと、技術的にも.2妥当と思われます。ただ、ノーツの数や、見た目がすごい。

 

サドマミホリック(13.2)

稼ぎ筆頭13.213.3の時代はもっと稼げた。といっても個人的には苦手譜面。トリルが苦手なので、そういう人には粘着は勧めません。

57小節がマジで苦手。6アタくらいは平気で出る。同じ場所でトリルし続けるのではなく、小刻みにタップする場所を左右に振ると繋がるときもあったけど、左手fastが多かったので、僕の左手がだんだん走ってるだけかと思われます。高い塔みたいに片手トリルで通す人もいるらしい。

とは言っても、ここを抜ければ特に難しい箇所はない。

これは僕のクセですが、7576小節と8384小節みたいな配置でコンボカットをすることが異常に多い。同じような人はエアーよりしっかりスライダーをなぞることを意識するといいかもしれないです。あとは切れ目を見る。

体力譜面に近いと思うので、どこが抜けてるかを見て対策すれば、どんな人でもそこそこの点数は出ると思います。

 

Tidal wave(13.5)

単曲レート14.85SSはイージーだけどSSSは出にくい典型的な譜面。スライドがちょっと抜けたら終わり、双子、三つ子のタップ抜けたら終わりみたいなコンボカットが多いです。とはいえエグい配置は局所的なので集中してれば鳥も出るかも。

2223小節は、右手は真ん中で8分のリズムで手のひらベチャッと、左手は黄色を取ることを意識して、交互押しに右手から入ることを意識してれば、交互の最初がタップ1つなのでまず抜けません。

26小節のフリックを取るのは左手。30小節のフリックを取るのは右手。37小節のスライドは案外横に振られるので注意する。

このあとはただの左右逆の繰り返しなのですが、小粒が増えてたりするのでそこで抜けることが多かったです。特に55小節、65小節あたりです。

7477小節が個人的には苦手です。左手がよく抜けてしまいます。譜面通りに押さなくても両手入れ替えでも何とかなるかもしれません、僕は知りません。80,81小節もまあまあ抜けると思います。手をべちゃっとするのも、切れ目狙って押すのも大事。

Tidal wave.5の中ではある程度スコアが出やすいと思います。特にトリル嫌いでライクが伸びない人はこっちを狙ってみるのもいいでしょう。

 

Cyberozar(13.2)

単曲レート14.80attackが出やすくスコア難の印象。他の.2に比べて忙しいのと、拘束トリルや認識しにくいスライドなどの多さでクセが付きやすい気はします。

2122小節みたいな拘束トリルとか、4345小節のリズム感とかを覚えて対策すれば伸びはすると思うのですが、詰め切らないといけないと思います。

 

人生リセットボタン(12.8)

単曲レート14.80。鳥。12.8稼ぎ曲。プラレ前半で鳥を取っていた。

 

CHOCOLATE BOMB!!!!(13.3)

単曲レート14.79。局所難の印象。チュウニズムあるあるの簡単と難しい足して定数は平均取っときましたみたいな感じ。ちょこちょこattackは出ると思います。

39小節とかは、ウロボロスとかにもありますが、ガチ押しの仕方が分からないので適当に擦って繋いでます。

あと47小節が苦手。

.3に降格してからもメタフィクションと地獄駅を鳥取って、次に狙う.3の鳥はこれかなという気がします。

 

ケモノガル(12.8)

単曲レート14.78。鳥寸。Aメロの混フレと、間奏最後(84,85小節)を乗り切れば鳥が見えてくるかも。

ラスサビは手を広げて押す。115小節からを乗り切れば問題ないと思います。

といっても、1つ取り逃がすと2ミスくらい出るとこが多いので、ノーツ数の割に注意が必要かと。

 

TiamaT:F minor (EXP)(12.8→AMAZON PLUS12.7)

単曲レート14.76。好きな曲だけど鳥寸で止まっていた曲。

12.8の中では稼ぎでしたが、降格したのと、Climax赤という新たな稼ぎも出来たので今更触れる意義はあまりないかもしれないが、良い譜面なので是非。

 

サンシャインサマー☆夏期講習(12.9)

単曲レート14.76。初見でとった点数でその後触れてないので詳しくはわからないですが、12.9で点数伸びるのはこれとキラメケ、時点でbubble attackくらいかと思います。

 

11 Sqlupp(13.5)

単曲レート14.73。これも初見で出した点数なので詳しくは分からないですが、虹レ寸前でわちゃわちゃしてたら出たので、あまりオススメはしないです。

 

12 ゴーストルール(12.7)

単曲レート14.70。鳥。単純な譜面の繰り返し、認識難のだけで、押しやすい。

 

13 時の冒険者(12.7)

単曲レート14.70。鳥。許容数が少ない気がする。混フレっぽいけどそこまで難しくない気がしますが、手がこんがらがりやすいかも。12.7鳥では遅い方だった。

 

14 幸せになれる隠しコマンドがあるらしい(12.7)

単曲レート14.70。鳥。理解すれば余裕である。

 

15 パーフェクト生命(12.7→AMAZON PLUS12.6)

単曲レート14.70。鳥。降格妥当稼ぎ譜面。

 

16 ドーナツホール(12.7)

単曲レート14.70。鳥。しっかりフリックと黄Tap取れば良いけど、リズム難みがある。

 

最後の方は適当でしたが、ベスト枠はこんな感じでした。これで虹レかという感じですが、曲も増えた今は、好きな曲と稼ぎ曲やって1310個くらい取れば虹レになれるのだなあと思います。遠いように思えた虹レも案外近かったです。

 

自己洞察と省察、あるいはうつでいっぱいの海

進学選択のその後

 

後期教養学部統合自然科学科認知行動科学コースに内定してから3ヶ月ほどが経ち、A1タームも終わりかけた今、自分の選択を振り返ってみることにする。自分の承認欲求を満たすために、もし同じコースを目指す1年生、あるいは高校生がいたら、少しでも役に立てばと思う、と付け加えておく。

 

自分は高校時代からなあなあに過ごし、流れに任せて理系を選び、流れに任せて東大を受験、あっさり理科一類で合格した。どうやら俺は流れに乗るのが上手いらしい。与えられた課題をただこなして、過去問をただ解くだけ、勿論そこにやり方の良し悪しはあるだろう、あるだろうがそんなものは微々たる差だ。結局は量がものを言う、そうできてるのが大学入試である。でもただこなすのが苦痛ではなかった、悦びすら覚えた。なぜだ、、、???

知的好奇心故にか?

学問の可能性に胸を膨らませてか?

将来の自分の成功を夢見てか?

 

多分違う。数字だ。そこに移る点数、順位が俺を突き動かしていた気がする。そしてそういう習慣は身に染み付いてしまっている。それが悪だとは思わない、むしろここまで俺を這い上がらせた(あるいはのさばり続けさせた)原動力なのだから。

 

習慣はそう簡単に洗えない。思えば前期教養時代もそうだった。ただやるだけは得意だ。ALESSは言われた通り適当に英語を紡ぐだけ。微積なんか問題演習を積むだけ、線型代数は定義を覚えてそれに従うだけ。熱力学は公式を覚えるだけ。力学に関しては訳が分かったような分からないような教科書と過去問を覚えるだけ。英語一列は難しさもない、訳の分かる教科書を覚えるだけ、俺にとってはこっちのが虚無だった。そろそろ冗長なので振り返りは終わるが、結局本質を何も理解していない。

 

今、後期教養の電磁気、統計力学を受けているが前期教養時代に習ったはずの知識を何も覚えていなかった。何もと言ったら嘘になる。断片しか覚えていない、有機的に繋がらない。それではただのクイズオタクだ。そんな自分が悲しかったし悔しかった、同時に知らねえよ知らなくても悪くないぞ俺は、と自分自身にそう言い聞かせていた。

 

だが、本質を理解していなくてもテストはできる。それっぽい発表はできる。そういう人間だった。点数はポンポン来た。嘘みたいに良い点数が来た(もちろん努力に見合うものもあるが)。2Sが終わってみれば平均点は90点を超えていた。瞬間は自分の努力を褒め称え思い上がる。なんならこんなに優秀な人材が集まる東京大学でほぼ全員が俺より平均点が低いことにこの国の未来を憂慮したりまでした。

 

学部学科は選び放題(医学科は要求科目を満たしていなかったし、おそらく点数が足りなかった、一時期はいけると思い真剣に考えたがやめた、医学に興味がないのとグロテスクが苦手だから。でも本当は点数が足りなくて行けなかった時の防衛線を張っていただけかもしれない、理由づけなんてそんな都合のいいもんばっかりだ)だった。どうせならよく分からん所に行ってやる、前期教養の様に広く浅くぬるま湯に浸かっていたいと安直に考えて駒場に残ることにした。

 

駒場の学部は真剣に調べた。どんな講義がある、どんな先生がいるか、何が必須単位か、卒業生は院に行くのか、就職先はどこかなどは全部見た。全部見て、統合自然の認知に決めた。駒場には世界的にも有数のMRIがあると聞いていたしなんか脳科学すごそうじゃん!?という若かりし頃からの期待と幻想を抱いていた。中学3年だか高校3年の国語の授業中に、20歳の自分に向けての手紙を書くという時間には「脳科学を勉強していますか?」と書いたのを鮮明に覚えている。

 

認知コースは何をやるのかよく分からないけど俺の好きなことをやってくれる、副専攻で生命科学や物理化学をやれば面白そう、そんな自己中心的な欺瞞は最初のうちは良いバランスを保っていたが(今も他の人の目には保っているように見えているかもしれないが)、確実に綻び始めている。後期教養学部統合自然科学科内定の事の重大さを今、理解した。

 

統合自然科学科はどのコースでも卒論が必修だ。(他の学部は知らない、理数に卒論が不要なことくらいしか情報がない)ここまで読んだ人はお気づきだろうが、俺の日本語は壊滅的である。なあなあに過ごして点数を取り、知識が疎かでしかも日本語のレポートもまともに書けない、そんなやつはお門違いだ。後期課程は自分を突き動かす点数も無い。見かけ上は全て単位のあるなしに量子化される。動機付けが無い。(動機付けが弱いとうまくいかないのは、微塵も興味のない講義で学んだ、認知コースで否が応でも取らねばならぬコース科目選択必修のおかげだ、感謝している)

 

ただ、やるだけは得意だ。なぜレポートを書くのかというメタ認知をしないで(もしかしたらこの訓練が俺は上手いのかもしれない、自己鍛錬の鍛錬とは名ばかりでもはや自分をメタ認知する以前の低次の段階でロボットのように自分を動かすことを指すのかもしれない)ただレポートを書く。ノートを取る。講義を聞く、聞かずに寝る。何でもできる。時折面白い話に感動する。感動したことも覚えているが本質は理解していない。どうやらそれで良い時代、前期教養モラトリアムは終焉を迎えたらしい。自分の興味のあることを、時に自分の知識で考えて、時に先行研究をとことん調べて行く時代に来たらしい。

 

そんなことは最初から分かっていたはずである。分かっていたが目を背けていた。目を背けてはダメだと思いつつ結局ただやるだけで20年弱何とかなっていた。ただやるだけだからやりやすいのを選ぶ。本質的な理解を欲して取った科目はない、初めのうちはその心意気でとっていても、ターム、セメスターが終われば点が取れれば良い、東大生はそんなもんである。なんなら俺より点が取れない東大生なんなんwとまで思う時もあった。認知コースはレポートと演習で圧迫される。とも思えば標準偏差を熱弁したり教科書やスライドの読み聞かせもある。他コース科目は前でオタクが喋り散らかすだけ。運動の機会も減った。

 

進学選択に関しては下調べが甘かったのもある。そもそも脳科学をやると思っていたのが甘い。心理学のコースだからと興味のない臨床の実験も講義もある。後期教養学部便覧に乗っている講義は全て開かれるものだと考えていたが違った。また、そもそも名前だけで選んで中身と一致しないというのはよくあるし、名前から分からないものだってある、未だに異常心理学が何を指すのかよく分からない。

 

しかし不思議なことに、工学部に行ったらパラダイスが待っていたのか?理学部に行ったらユートピアが待っていたのか?他の学部だったらということは微塵もよぎらない。統合自然科学科には満足している。他の学部の人々を見る限り講義の自由は他の学部より十分アドいと思っている。

 

性格診断をするとよくリーダーシップがある、知的好奇心が旺盛と言われる(認知コースで社会学を散々非科学的とバカにしながらこういうのは信じ込む、占いも信じる、擬似科学だからと行って日常から一律に排除すべきではない、世の中運で回っていることも多々ある)とか言われる。あまり重く受け止めないが1つだけ重く受け止めた言葉がある。

 

「このタイプの方は人の上に立つ割には中身が無い、能力が無いこともあります

(中略)

このタイプの有名人は……ビルゲイツ……

 

うっせーよと思いながらそそくさと閉じた。

 

、、、

 

俺はビルゲイツにはなれない。

俺は、ビルゲイツには、なれない。

 

進学選択を控えた人は、一次情報を掴んだ方がいい。便覧とて便覧、全てを鵜呑みにしてはいけない。先輩、教員、同期の話はたくさん無いと判断できない。どこに決めようと構わない、構わないが自分を強く保つピラーは3本くらいあった方がいい、古代中国の時代から3本は安定だ。そして今まで点数、順位などという数字に絶大な比重をかけていた人は気を付けた方がいい。もうそのピラーは限界だ。知的好奇心(笑)などではない本質的な学問への興味とそれに付随するやる気を代替ピラーにすべきだ。他の2本は自分の趣味とか環境要因みたいなやつで何とかなる。

 

改めて考えると俺は別に心理学にも脳科学にも本質的な興味はない。色々なことを知りたいだけ、知っていることを点数化されたいだけ、数字が欲しいだけ。そう神に一蹴されれば自分の学生としての生は終わり、一生適当な企業でそれっぽく働いて好きな音楽を聴いて音ゲーでもやって健康寿命を終える。残念ながら俺の信じた神は科学だったからそうは問屋が卸さない。コースのみんなと楽しくやっていける、それだけで幸せで、課題なんかなあなあで終わらせたい、そんなことより知りたいんだ!神が囁く、あるいは神の使い魔みたいな認知コースの教員が囁く、じゃあ自分で仮説立てて実験して論文書いてみよう!、、、違う、俺はそんなこと知りたくない(知れれば万歳だがそんな労力も能力も今のところない)、知識が欲しいだけだ。この性格で本が嫌いだからこういう産業廃棄物みたいなのが産まれてしまう。神がいるなら、この先もなあなあでこなすだけで道が拓けるのか教えてほしい。残念ながら俺の信じた神は科学だから未来にタイムスリップできない。

 

認知コースは、本質に興味のある方で、日本語あるいは英語が得意(もしくはその水準まで自分を高められる)な人を募集しています。東京大学がその尺度として用いた1.5年の平均点の内的妥当性は、低かったと思う。まあでも後悔をしても仕方ない、自分には留年や降年という選択肢は取れない、怖くて。怖くてできない、1年で何か変わるのか?そんな1年に賭けるならやらなきゃいけないことをこなすことにする。ただやるだけは得意なので。そう思って走り続けることにしてる。